義母のことは別に人間として嫌いじゃありませんでした。
長子出産の前から「家に息子の時買ったベビーグッズがたくさん残ってるからかわなくていいわよ!」と散々言われてましたが、あまり深く考えていなかった私は30年前のおもちゃかーまあいらなきゃ捨てればいいし、とか布おむつが手付かずであるわよと言われたら、雑巾にすればいっかーなどと考えていました。
いざ妊娠が進むにつれ切迫流産で自宅安静になったり切迫早産で入院したり、無事生まれてくるか不安で不安でしかたない毎日でした。
ほんとうは出産までベビーグッズ何買おうと楽しんでいる人も多いでしょうが、私は万が一があった時手元に物だけ残るのがいやで、全て子どもが無事生まれてから買おうと考えていました。
幸い、今時全て通販で翌日には届きますから自宅に戻った時に揃えたらいいだろうと算段していたのです。
そんなこんなで無事出産が終わり退院の時まず一悶着。
義母から退院に付き添う、そのまま泊まり込みで世話するから!と言われたのです。
初産で疲れ切った所に無理だろ、と実母が手を回してくれてなんとか退院初日は夫と実母が世話してくれることとなりました。
けれど翌日からは仕事がある実母に代わり、義母が泊まり込みで世話してくれると言うことに。
勿論上記のやりとりはただでさえ初産で不慣れな入院中も非常なストレスを感じました。
兎に角やっと10日ぶりの自宅に帰ってきてびっくり。
あらゆるベビーグッズがすでに配置されているではありませんか。
30年前のベビーベッドには30年前のベビー布団と義実家から持ち込んだ見慣れないバスタオルがかかっていました。
30年前のゆりかごに30年前のメリー、30年前のベビーカーに30年前のドレス、スタイ、産着、絵本、おもちゃ…
そんなものたちが我が物顔で部屋中を占拠していたのです。
義母は一人っ子の長男である夫に全力投資し服から何からブランドで揃えて金がかかったと常々話していました。
自分がやってきたことを私がやりたいとは思わなかったのでしょうか。
唯一新品で用意されていたのはベビー下着と何着かのカバーオールくらいでした。
私が買ったものは何一つありませんでした。